Kobopのブログ

映画は心の栄養

ビートルズ「Revolver」について話したい!!

どーも、こぼぴー(Kobop)です。

 皆さん、音楽は聴いてますか。音楽といってもクラシックからジャズ、R&Bやロックなど幅広いジャンルがあります。今回はその中でも1960年台にエポックメイキング的な存在となり、世界中をロックの渦に巻き込んだビートルズのアルバムの一つである、「Revolver」について一曲ずつ個人的な感想を話してみたいと思います。というのも、つい半年ほど前まで私はビートルズについて無知でありまして、ジョンレノンとポールマッカートニーしかメンバーを知らないといった感じでした。しかし曲を聴いてみると、なんとまあどれも聴いたことのある曲ばかりで驚き、そこからビートルズについて、曲はもちろんのこと、曲の背景や音楽史における影響だったりを深掘りしていきました。それほどまでに時代を超えて夢中にさせてくれたビートルズ。彼らが世に放った作品はどれも素晴らしいものですが、今回は私が一番好きなアルバムである「Revolver」についてこのブログで取り扱おうと思いました。断っておくと、私は音楽の技術とかそういった事に関しては全くわからないので、このコード進行がすごい!とかは正直わかりません。なので私の感じた感覚だったり驚きについての感想がメインになりますので、あしからず。

 

 

The Beatles:Revolver(1966)

 

 ビートルズ7枚目のアルバムです。まずこのアルバムについて少し説明したいのですが、アルバムを通して聴くと、非常に不思議な感覚を覚えます。ぐにゃっと歪んだような曲もあれば、ギターが気持ちの良い曲もあり、これは当時ビートルズのメンバーがLSDの摂取により、それによる幻覚作用などから影響を受けたそうです。同時に今までの音楽にはなかった数々の試みが随所に見受けられます。多分それらの要素が、私が最初このアルバムを聴いたときに受けた「新鮮さ」につながってくると思うのですが。このアルバムのジャケットも、アルバム全体の雰囲気をうまく掴ませてくれる面白いものだと個人的には思います。(ちょっと怖いけど…)

 

1.Taxman

 OPを飾るに相応しい素晴らしい曲です。Taxman!と歌ってからの耳をつんざくギターソロには毎回震えます。最初に、1,2,3…と言ってから曲が始まるのも、聴く側が、さあ始まるぞ!という気持ちになるので、その時点で「なんだこの曲は、そしてこの先どんな曲が待ち構えているんだ…」と初めて聴いた時にはなりました。「散歩するならあなたの足に課税する」といった、当時税金をたっぷり取っていた政府への皮肉めいた歌詞も聴きどころだと思います。

 

2.Eleanor Rigby

 いきなり美しいハーモニーから始まるこの曲。なんと、ギターもベースもドラムも使ってないんですよ!(聴いたことある人はもちろんわかりますが)弦楽器のうっとりするような調べが聴いている人間の身体を包み込み、この曲、ひいてはこのアルバムに引き込んでいきます。弦楽器を弾いているのはビートルズではなく別の人らしいですが、弦楽器だけを使って曲を作る発想と、それにボーカルが加わることでここまでの曲に昇華させてしまえるビートルズの力量には感服します。だって普通バンドやってたら今担当している楽器(ギターなど)を使って、どう曲を作ろうかってなる気がしますからね。既存の枠組みにとらわれない作曲活動は本当にすごいと思います。

 

3.I'm Only Sleeping

 曲名にもある通り、非常にまったりとした歌声とリズムで、聴く側もうっとりしてしまいます。曲中所々で流れる不思議な音は逆回転ギターなる技術の賜物。ある種、このアルバムの世界観を体現しているサウンドと言えるかもしれません。特に最後の連続逆回転ギターサウンドは私たちを音楽の未知の領域へとトリップさせてくれます。

 

4.Love You To

 初めて聴いた時の感想が「何じゃこりゃ」となる曲の連続ですが、個人的に一番衝撃を受けたのがこの曲だと思います。インド音楽で使われるタンブーラ、シタール、タブラと、最早名前も聞いたことのない楽器が使われています。曲の最初に少し長めのイントロがあって、その後歌い始めると一気に音が増えるのはいつ聴いても鳥肌ものです。いやあ音楽に関する知見が広がりますね。それにしてもインド音楽まで取り入れるとは。恐るべしビートルズ、そしてジョージハリスン…

 

5.Here, There and Everywhere

 ハーモニーが美しすぎて、思わず目をつむって曲を聴くことに没頭してしまいます。後ろで鳴っているギターも、曲の美しさを最大限保ちつつも、しっかり存在感を示している。そんな素晴らしい加減具合にも感激します。それにしてもポールマッカートニーの歌声は本当に良いですね。耳が幸せとはこのこと。

 

6.Yellow Submarine

 なんですかこの楽しすぎる曲は!サビの「We all lived in a yellow submarine」の部分は一緒に歌わずにはいられません。人の話し声や歓声、水のブクブク音など、背景で色々な音が曲を盛り上げているのも素晴らしいです。曲が曲で終わらずに、何か物語として存在するような、そんな曲の世界観の拡充も行っていることに驚きます。途中金管楽器の重厚なサウンドが挟まるところもアクセントが効いていてとても好きです。曲の後半、少し外した音程で歌っている合いの手もたまらないですね。

 

7.She Said She Said

 ドラムの力強さにノリノリになれます。ジョンレノンの力強い歌声、うなるギター。とにかくテンションを最高に高めてくれるのです。最初から最後までとにかく力強い。たびたび聞こえるキーンという音が、うまくこの曲にLSDの感覚を取り込んでいると思います。そして歌声のメロディーの後についてくる同じメロディーのギターがよりこの曲のパワーを底上げしていると感じます。こういった細かい気持ちよさが、この曲の魅力なんでしょうかね。

 

8.Good Day Sunshine

 一面に晴れ渡った空。そんな光景がありありと浮かび上がってくる曲です。跳ねるようでずしんとしたピアノや、サビの部分で存在感を一層増すシンバルの重い音。最後のボーカルの転調というそれらが調和して、ここまで爽快な曲を作れることも驚きです。最初少ない音から始まり、一気にボーカルとさらに音が加わるのはまさにこの曲に相応しい幕開けですね。

 

9.And Your Bird Can Sing

 個人的に「Revolver」の中で一番好きな曲といっていいかもしれません。なにしろ、最初のインパクトのあるギターに心を打たれたわけですから。そこで入るか!というハーモニーも素晴らしいのはもちろんのこと、やはりギターが最高ですね!こういう曲を聴くと、「ギターやってみたい」となるのですがなかなか食指が動きません。それはさておき、この中毒性のあるギターのメロディーがより私を「Revolver」に引き込むわけですが、ここまでストレートにかっこいいと思える曲も作れてしまうビートルズには、感動を通り越して恐れさえ抱いてしまいます…

 

10.For No One

 ポールのうっとりするような歌声とフレンチホルンの美しい音色が非常に素晴らしい曲です。フレンチホルンは合間合間に存在感をしっかり際立たせ、ポールの歌声との親和性も抜群です。思えば、ここまでバラエティにとんだ楽器を使いつつ、そのどれもがきちんと存在感を発揮しているのはやはりビートルズの力量といったところでしょうか。決してつぎはぎになってなく、むしろ溶け込んでまでいるのがすごいですね。

 

11.Doctor Robert

 軽快なテンポで進んでいくように思えるのですが、最後の方をよくよく聴いてみると結構音が入り交じっているのがわかります。それでも心地よく聴けて、サイケデリックな感覚を感じることができる気がします。突如スローテンポになったりするところは、さすがビートルズといった感じで、一曲の中に様々な聴きどころが詰まっているのが面白いですね。

 

12.I Want to Tell You

 イントロがめちゃくちゃ好きです。素晴らしいハーモニーはもちろんのこと、この曲ではその伸びが印象に残ります。そしてやはりインド音楽ですね。アクセントにハンドクラップも。何度も聴くとこういった細かい工夫に気付くことができとても楽しいです。ビートルズが時代を超えて愛されるのは、こういった工夫が多くちりばめられている点が理由の一つとして考えられるかもしれません。

 

13.Got to Get You Into My Life

 フィナーレに向かって突き進む気持ちの良い曲です。ビートルズ御一行が列をそろえて行進している。そんな場面が浮かんできます。奥で鳴っている一定のリズムが曲を統制し、金管楽器サウンドが心地良い気分にさせてくれます。が、実はこの曲、マリファナをテーマにしたドラッグソングらしいです。それを知ると歌詞の意味が違って聞こえてくるのも面白い点です。

 

14.Tomorrow Never Knows

 サイケデリックを曲にしたらこうなるんでしょうかね。もしくはLSDを摂取したときの感覚を曲にしたらこういう感じなんでしょうか。まさに「Revolver」です。めくるめく音の洪水。アルバム後半、前半と比べて少し落ち着いた曲が続いた(どれも素晴らしいですが)と初めて聴いた時思っていたら、最後にこれです。音色は歪曲し、ドラムのリズムだけがはっきりと聞こえ、ボーカルの声もなんだかはっきりと認識できません。これだけ支離滅裂な感じなのに、曲として傑作に仕上がっているのはどういうことでしょうか。摩訶不思議な音の世界。このアルバムの大トリを飾るのに相応しい曲です。

 

 

 

 

 とまあ、こんな感じでビートルズの「Revolver」に収録されている曲の感想をざっくり述べてみましたがどうでしょうかね。聴いた感覚を文章に起こすのは結構難しかったです。伝わっていると良いですが。また、間違いなどあったら指摘などしてもらえればと思います。他のアルバムも大好きなのでまたやりたいです。読んでいただきありがとうございました。では

 

ペルソナ4をクリアしてゲームそのものの構造を捉え直した話 ※ネタバレします

どーも、こぼぴー(Kobop)です。

 皆さん、ペルソナシリーズを知っていますか?女神転生シリーズから派生して生まれたこのシリーズ。今はナンバリングタイトルとしてはペルソナ5まで発売されており、来年にはペルソナ3のリメイクが発売を控えています。私は3、4、5しかやってないのですが、このシリーズの持っている明るさと不安さが同居しながら繰り広げられていくストーリーがとても好きです。伝わる人には伝わると思いますが、シュタインズゲートの前半部分のような感覚ですね。さて、今まで私は5→3→4の順番でこのシリーズを楽しんできたわけですが、今回この記事のタイトルにもある通り、私自身ペルソナ4で最高のゲーム体験ができたのと同時に心に多くのしこりが残りました。その原因などを話していきたいと思いますが、まずはこのゲームがどれほど素晴らしいかを個人的な感想としてお話してから本題に入りたいと思います。ご了承ください。なお、私は今回steam版ペルソナ4 ザ・ゴールデンをプレイしました。

※ネタバレします

 

ペルソナ4 ザ・ゴールデン(2012) ※画像はsteam版より

発売:アトラス ※steam版はセガ

 

 

 

ストーリーについて

 主人公は両親の仕事の事情で、一年間稲羽市という結構田舎の地方都市にある叔父の家に住むことになります。その地域ではマヨナカテレビという噂が流行しており、主人公はその噂を確かめようとしてマヨナカテレビの中の異世界に入ってしまい、その中で自らのペルソナ能力を発現します。そして学校で出会った仲間たちとマヨナカテレビの真相を解明していく…というのが大まかなあらすじです。

 今作は他のペルソナ3、5よりも全体的に明るい雰囲気で始まります。登場人物は割と活発的ですぐに友達ができ、グループができます。BGMも軽快で、晴れの日に流れるYour Affectionなんかはまさにペルソナ4の雰囲気を表現しているBGMと言えるでしょう。ペルソナ4で主人公は、転校してきたものの仲間はずれになるのではなく、むしろそれと同じ境遇を持った花村陽介。元気で明るい里中千枝。優等生を体現したような天城雪子。といったように最高の転校生活のスタートを切ることができるのです。家に帰れば菜々子や堂島遼太郎がお帰りと言って迎えてくれます。一見順風満帆に思えるこの田舎町。優しく明るい友達、暖かい家。なんて良い転校先なんだ!と。

 

ペルソナ4のテーマについて

 ペルソナ。いわばもう一つの人格。人間誰しも人に言えないこと、隠したい内面があると思います。学校での私。会社での私。家族の前での私。友達の前での私。様々なペルソナを使い分けて私たちは生活しています。口ではああ言ったけども、本心は…。なんてことは少なくないでしょう。ペルソナ4はそこの内面を的確に指摘します。マヨナカテレビの中にいるもう一人の自分。それは己の心の内を体現した存在であり、現実の自分よりも生き生きしているように思えます。しかし自分のペルソナを表に出すわけにはいきません。現実はマヨナカテレビとは違い、自分のペルソナを使い分けて生活しなければなりません。登場人物たちは自分のペルソナを受け入れ、人間として成長していきます。違う自分、しかしそれもまた自分である。具現化した心の葛藤をしまい込むのではなく、むしろ共存させていく。自分と向き合うことは、現実と向き合い、過去と向き合い、そして未来に向かって歩みを進めることの重要な手順なのです。

 ペルソナシリーズでは様々な人物たちとコミュニティを築くことができます。それはバイト先の看護師だったり、夫を亡くし悲しみに暮れるおばあちゃんだったりするのですが、全員が何かしら悩みを持っています。誰もが悩みを抱え、それでも進まなければならないという、現実の酷な部分が彼・彼女らに選択を迫ります。そして全員が現実から逃げずに自分と向き合って前に進んでいきます。誰も最終的に逃げたりはしません。主人公は選択肢のどれかを選び、言葉を投げかけます。しかし最後に道を選択するのは彼・彼女らなのです。プレイヤーは誰かの人生をコミュニティを通じて垣間見ます。誰もが内に悩みを抱えていて、そんな現実から逃れたい、という自分自身のペルソナと向き合います。誰もが持っている悩み。しかしそれと向き合って進まなければならない。そんなテーマがこのゲームにはあると思います。

 

このゲームが伝える当事者意識

ストーリーも終盤。平和な田舎町に影を落としている事件の黒幕が判明します。しかし黒幕の話を聞いている内に、この事件の真の恐ろしさがわかってきます。黒幕は、たまたまマヨナカテレビがどのようなものかを把握したかに過ぎなかったのです。この偶然性という部分は、裏を返せば誰でもこの事件の当事者となり得る可能性があったということになります。町が霧に覆われ根も葉もない噂が飛び交います。霧は毒だと言ってガスマスクの購入が流行します。人は不安になると安心を求めます。もしかしたら私も噂に流されてガスマスクの購入を検討しだす。なんてことも可能性としてあるわけです。黒幕は事件を起こした理由を特に持っていません。ただ世の中に、自分の将来に不安を抱えていた一人の若者だったのです。今作は私たちに警鐘を鳴らします。一歩道を間違えれば…という当事者意識をもつことが重要なのです。だからこそ自分自身と向き合い納得のいく選択をして先へ進んでいくことが、黒幕と同じ誤った道に進まないためにも大事なのではないのでしょうか。

 

 

少し長くなりましたが、ここから本題です。

 

 

何も起きなければゲームは成立しない

メタ的な話にはなりますが、ゲームとは何かが起こらなければ物語は始まりません。もちろん例外もありますが、例えば魔王が世界を乗っ取ったとか、今作のように事件が起きなければ、それは何か目標に向かって攻略していくというゲームの前提が成り立たないからです。その前提の部分に今作の事件の黒幕は問いかけてきます。黒幕のセリフは結構人間の本質を突いていると個人的に思うので何度も見返すくらいにめちゃくちゃ好きなんですが、話を戻すと、私たちだけが事件を解決できる立場にあるわけで、逆に私たちが行動を起こさなければバッドエンドとなってしまうわけです。ではなぜ事件を解決しようとするのか。そこにはいわゆる善の心があるはずです。誰かを助けたいとか、世界を終わらせたくないといったようなことです。しかし黒幕は問いかけるのです。いわばヒーローごっこをやっているのだと。私たちに、どこかこの事件を解決する内にわくわくする気持ちがあったのは確かです。次の仲間は誰なんだろう…。とか黒幕は誰なんだろう…。とか。どんどんストーリーにはまっていく内に、自分がこの事件を解決して町に平和を取り戻すぜ!的な心意気でゲームを進めていくのです。自己満足的な感情があったことも否定できません。だから私は今作をクリアしても、どこかすっきりしないまま、のどごし爽やかに今作を飲み込めなかったのです。悲哀の感情で臨むべきであるのに、どこかわくわくする気持ちで真相究明に取り組んでいる。主人公とその仲間が善、黒幕が悪という単純な善悪対立ではなく、善と悪は非常に近しいものであると感じました。

 もし、このゲームの世界の中で事件が起こらなければ、田舎町でできた友達や義理の家族と一年間一緒に仲良く過ごすハートフルな物語が展開されたはずです。しかし事件は起きました。何もない田舎町は突如として世間の注目、人々の関心を集めます。町の人々は今まで体験したことのない現象に不安や恐れを抱き、どこへ向かえば良いのかわからなくなります。まさしく霧の中です。そして一年間を通して誰もが自分と向き合い、反省し、成長します。事件をきっかけとして、人々は一歩一歩自分自身に歩み寄り、心にかかった霧を晴らそうとしました。最後の日。満点の青空。もとの平和な田舎町に戻りつつあります。しかしそこに存在する人々は、皮肉にも悲劇的な事件を契機として成長できたのです。その事実をかみしめて、それでも前に進まなければなりません。それが現実なのです。

 私たちプレイヤーがこのゲームに参加していなければ起こらなかったであろう悲劇。ゲームというものを成立させるために事件が起こったとすれば、それを解決する責任が私たちにはあるはずです。それが主人公という役割を与えられた私たちにできる唯一の行動であり贖罪なのだと思います。

 

 

 

 

 というわけで長々と持論を述べてきたわけですがどうでしたか?何が言いたいんだという人もいるかもしれません。私も文章を書いていて、伝わるのかな…と思いましたし。ゲームを成立させるために事件が起きるというメタ的な目線で考えてしまったことが原因だとは思いますが。まあ、それほど奥の深いゲームだったということで!終わります!

 

魔女の宅急便を数年ぶりに観た話

どーも、こぼぴー(Kobop)です。

 私は大学に入るまでジブリ作品をほとんど観たことがありませんでした。ちゃんと観たことがあったのは「思い出のマーニー」や「となりのトトロ」くらいです。「魔女の宅急便」も観た記憶がおぼろげながらにあるのですが内容はほとんど覚えていませんでした。ジジってしゃべるんだと驚くくらいに覚えていませんでした。大学に入ってからはたくさんのジブリ作品を観ました。特に宮崎駿監督作品を中心に。そして「魔女の宅急便」を観ました。傑作でした。

というわけで数年ぶりに観た「魔女の宅急便」についてお話しようと思います。(少し内容に触れます)

 

魔女の宅急便(1989)

監督:宮崎駿

 

 この映画は、一人前の魔女になるために知らない街で一年間暮らさなければならないという掟に従い、主人公のキキが家を離れてよさげな街での生活をスタートさせていく物語なのですが、彼女はまだ13歳なんですね。13歳の子どもにとって大きすぎる世界が、彼女に様々な形で人生にとって必要なものを与えてくれます。それは優しさだったり、厳しさだったりするのですが、そうして彼女は成長していくのです。知らない街で一年間暮らすという掟は一人前の魔女になる前に、一人の人間として成長するための試練でもあったのです。

 久石譲さんの音楽とともにほうきに乗って空を飛んでいます。下には海が広がり、大地が広がり、街が広がっています。広大な世界が広がっています。空を飛んでいる一人と一匹は街に降りていきます。だんだんと小さくなっていきます。そして見えなくなります。ちっぽけさを表現する素晴らしい描写です。

 魔女はこの映画の中で古い伝統を守り続けている存在のように感じます。そして街には空飛ぶ飛行船やたくさんの車が行き交っています。新しい技術が台頭している時代です。しかし最後は魔女であるキキが大活躍します。その素晴らしい展開に感動を覚えました。

 自分自身に悩む少女の繊細な心情描写が素晴らしく、私にも刺さる部分がありとても感情移入して観ることができました。大学の資料室で観ていたのですが、他にも同じ場所に何人かいたので、泣きすぎて数人に横目でジロジロ見られました。すいません。

 

 

 ジブリ作品を観て感動するたびに、原語で楽しむことができる幸福感に包まれます。ほんとジブリって良いですね。では、また。

好きな映画を10本紹介して語ります。

どーも、こぼぴー(Kobop)です。

 私が腰を据えて映画を観始めて一年が経とうとしています。そこで、まずは映画鑑賞一周年記念として、この一年間で観た映画の中から心に残った、大好きな映画をそのときの思い出とともに10本紹介してみようと思います。たった10本、されど10本、ということでなかなかに選ぶのには苦労しました。では、どうぞ。

 

 

1.千と千尋の神隠し(2001)

監督:宮崎駿

 

 世間では王道扱いされるこの作品。なんと大学生になるまでジブリ作品をまともに観たことがなかった私がこの映画を観たときに受けた衝撃はすさまじいものでした。大概の人は観てると思うので内容に触れますが、千尋が龍を初めて見たときになぜかハクだとわかった、とか豚のなかに両親がいないことがなぜかわかった、とかそういった精神的なつながりがとても大事にされてる映画だと感じました。世界観はもちろん最高なのですが、圧倒的な表現力と物語性に魅せられた私は、エンディングが終わった後、間髪入れずにもう一回観てしまったほど面白く魅力的な作品だと思ったのです。

 

 

2.ナイト・オン・ザ・プラネット(1991)

監督:ジム・ジャームッシュ

 

 会話劇が好きな私が初めてこの映画を観たとき面白すぎて感激の涙があふれてきたことを覚えています。個性と個性のぶつかり合い、とでもいいましょうか。タクシーという閉鎖空間の中にいる人々が対話を重ねていく内に溶け合って一つの暖かな空間を作る。クスッと笑えてオムニバス形式なのでテンポも良い。パリの場面で盲目の女性客に対して運転手は問いかけます。「盲人は黒眼鏡をかけるのでは?」女性客は返答します。「そう?見たことないから知らないわ」と

 

 

3.ビッグ・リボウスキ(1998)

監督:ジョエル・コーエン

 

 他人と間違えられた男がある事件に巻き込まれていく話です。大きな事件に巻き込まれている。のにボーリングには行く。とんでもないことをやらかしてしまった。だけどボーリングには行く。とても変な映画です。登場人物の癖が強すぎて一度観たら忘れられません。謎の中毒性がある映画でした。

 

 

4.天国と地獄(1963)

監督:黒澤明

 

 誘拐犯との心理戦でもあり、決死の追跡劇でもあるこの映画。サスペンスとしても面白いのですが、私はこの映画から見えてくる社会の本質の描写がたまらなく好きなのです。テーマは物語の中で自然と見えてきます。栄えた街のすぐ裏には貧困層が集まる場所があります。光あるところには闇もあります。天国と地獄は表裏一体なのです。

 

 

5.ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ザ・ウェスト(1968)

監督:セルジオ・レオーネ

 

 私はこの監督の撮る映画が大好きです。この監督は他にも西部劇を何本か撮っていて、それらの映画の中でガンマン同士撃ち合いになりますが、その撃ち合うまでの間の取り方と魅せ方が本当に素晴らしいのです。その間で緊迫感と面白さが最高潮になり、勝負が決まったときにくる脱力感というか高揚感がたまらないのです。今作の登場人物はセリフよりも目で語ります。目線や顔の動きで何を考えてどう行動しようとしているのかを伝えてくる表現力にも圧倒されました。

 

6.フィツカラルド(1982)

監督:ヴェルナー・ヘルツォーク

 

 夢を追う男は船を山越えさせてしまいます。何やってんだといいたくなりますが、目の前に映される圧倒的な映像によって黙らされます。それほど、ものすごい映像に引き込まれます。この映画は終始不思議な雰囲気をはなっているように感じます。非現実的な映像を、現実で撮られた映像で観ているという不思議な感覚になります。ラストシーンのあの表情。自分の生き方に満足する日は来るのでしょうか。

 

 

7.トラスト・ミー(1990)

監督:ハル・ハートリー

 

 この映画には愛おしさを感じます。流れる音楽と映像のシンクロ率が限界突破をしています。生きづらさを感じている男女が出会います。二人は行き当たりばったりな生き方をしているのですが、出会ってからの関係性や信頼し合っている描写が好きです。余韻もたまりません。

 

 

8.サムライ(1967)

監督:ジャン=ピエール・メルヴィル

 

 この映画は主演のアラン・ドロンがかっこいいのと、終始冷たい雰囲気でセリフは極限まで排されており、淡々と警察からの逃走劇が続きます。アラン・ドロンは冷静で、寡黙で、勘も良い。全男性が憧れるであろうそのたたずまいに魅せられました。トレンチコートがよく似合う。

 

 

9.チャップリンの黄金狂時代(1925)

監督:チャールズ・チャップリン

 

 私が初めて観たチャップリンの映画がこの作品でした。チャップリン喜劇王と呼ばれていることは知っていたのですが、この映画を観て納得しました。面白すぎます。お腹の奥底から笑いがこみ上げてくるのです。動作で笑わせるという、今となっては原始的なコメディですが、約100年の時を経ても変わらぬ面白さがありました。それと同時に切なさがあるのもこの映画の魅力であると思います。

 

 

10.アンダーグラウンド(1995)

監督:エミール・クストリッツァ

 

 あふれ出る熱量。金管楽器の演奏が観ている者を映画の世界に引き込みます。戦争の混沌とした世界観をダイナミックな映像と音楽で駆け抜けます。この映画は旧ユーゴスラビアを描いています。今は分裂した国ですが、こうして映画として残されることで、人々はこの国のこと、そして戦争を忘れはしないでしょう。映画が作られる一つの意義や意味のようなものを観た時に感じました。とても大切な映画です。

 

 

 

 ここまで読んでいただきありがとうございました。映画って良いですね。また来年やるかもしれません。そのときはどんな映画を私は選ぶのでしょうか。良い映画にたくさん出会いたいですね。では。

【自己紹介】Kobopです。初めて書きます。自己紹介に趣味の映画鑑賞についても書きます。

 どーも、こぼぴー(Kobop)と申します。

 現在大学生で絶賛準ニート生活を謳歌しています。大学生は人生の夏休みである、と誰かから聞いていたとおりで、講義やアルバイトにサークル活動はあれど、それでも時間は有り余ります。そんな中、去年の今頃、夏休みも佳境に入った頃にNetflixをあさっていると、ある一つの作品に出会いました。それは「ショーシャンクの空にという映画です。今までろくに映画を観てこなかった私は、何気なく観たその作品に心を打たれました。そして初めて映画を観て号泣したのです。泣こうとして泣いたのではなく、本当に自分でもびっくりするほど涙があふれ出してきたのです。こんなに素晴らしい作品が存在するのかと思いました。そこから私は映画にハマりました。そしてこの一年間で色々な映画を観ました。たくさんの作品に触れ、多くを学びました。過ちを学びました。考え方を学びました。気持ちを学びました。世界を学びました。映画は最初エンタメのために存在するコンテンツだとばかり思っていましたが、そう思うのは最初だけで、あっという間に映画の虜です。そしてこれからもたくさんの映画に触れていくつもりです。

 自分語りが多くなってしまいましたが、この記事をよんでくれている人たちとこのブログへ

 

よろしくお願いします。